『ケサランパサラン』
不思議な言葉ですね。
『ケサランパサラン』って一体何なのでしょうか?
この物体を見つけて、持っていると幸せになれるという言い伝えがあるのです。
実は、植物説、動物説、鉱物説、昆虫説、さらには妖怪説まで様々な説があるのです。
かなりの頻度で発見もされているようですが、発見者は皆、自分が捕まえたものは本物だと信じて大切にしているようです。
写真を見ると、ますます神秘的な形に見えてきます。
謎だらけ、曰くありのこの不思議なケサランパサラン、その正体を、徹底解明していきましょう!
ケサランパサランとは?

「ケサランパサラン」ですが、実は、分かっているのは、空中を漂う、白くてふわふわした物体で、見つけると幸せになれるということくらいなんですね。
そして、名前にもいろいろあるようで、分かっている限りでは、「ケセランパサラン」「ケサランパサラン」「てんさらばさら」、西洋では「ゴッサマー」や「エンゼル・ヘア」とも呼ばれているそうです。
ケサランパサランの語源は?

「ケサランパサラン」ってどんな意味なの?
語源ですが、これも様々な説がありました。
- スペイン語のケ・セラ・セラ「なるようになる」が語源だという説
- 「袈裟羅・婆裟羅」(けさら・ばさら)という梵語が語源だという説
- 東北地方の方言である「何が何だかさっぱりわからん」を意味する言葉という説
どれも納得できる気がします。
ケセランパサランを見た人が、その時どんな気持ちでいたのか、そして、その不思議な物体に、どんな願いを込めたのかわかりますね。
ケサランパサランとの関係は明らかになっていないが、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には鮓荅(へいさらばさら、へいさらばさる)という玉のことが記載されている[6]。同書によれば、これは動物の肝臓や胆嚢に生じる白い玉で、鶏卵ほどの大きさのものから、栗のイガやハシバミくらいの小さいものまであり、石や骨にも似ているがそれとは別物で、蒙古人はこれを使って雨乞いをしたとある。著者・寺島良安はこれを、オランダで痘疹(痘瘡の発疹)や解毒剤に用いられた平佐羅婆佐留(へいさらばさる)と同じものとしている[7]。近代では、「鮓荅」は「さとう」と読み、動物の胆石や腸内の結石と解釈されている[8]。
ウィキペディアより一部抜粋
なかなか見ることができない物体を見ることができたとき、「ラッキー!」と思います。
そして、そのラッキーな体験した自分には、きっと何か幸せが訪れる気がして、わくわくしますよね。
『流れ星に願い事を3回唱えると、願いが叶う』とか、『四つ葉のクローバー』もそうです。



『黄色いワーゲンを3回見るといいことがあるよ』なんてのもあったよね!
ケサランパサランも、目の前にそれが飛んできたとき、ふわふわとどこからともなく飛んでくる不思議な様が、幸せを運んできてくれたような気がするのかもしれないですね。
ケサランパサランの正体は
ケサランパサランの正体は、まだ解明されてはいないのですが、いくつか説があります。
- 植物説
- 動物説
- 鉱物説
- 昆虫説
- 妖怪説
どれも、白くてふわふわした物体ということだけは共通しているようです。
それぞれ、詳しく見ていこうと思います。
ふわふわな冠毛、植物説
1970年代にオカルトブームで、ツチノコなどと一緒にこのケサランパサランも話題になりました。
世の中の人はこぞってその不思議な物体を見つけ出したのですが、その多くは花の冠毛だったそうです。
アザミやオキナグサ、ブタナなどの植物などには、種子を遠くに飛ばすために、ふわふわした毛が付いているのですが、それが冠毛です。
それらが、風に乗って漂っている所を発見されたのでしょう。
ちなみに、上の写真①がガガイモの種子、写真②がアザミの種子です。
これらの種子の冠毛は、種から簡単に取れてしまうようで、種を失ったものがふわふわ飛んで来たら、幸せを運んできてくれた、不思議な物体に見えるかもしれませんね。
猛禽類が作り出す?動物説
山形県鶴岡市の加茂水族館(写真①)では、ケサランパサランと思われる物体が実際に展示されています。
更に、姫路市立動物園(写真②)でも2010年ごろから展示されているようです。
これらは、正体が判明していて、「ワシ・タカ・フクロウなどの猛禽類が、ネズミやウサギなどの小動物を食べた際に、排泄される毛玉(ペリット)である」と説明されています。



これは、主に猛禽類の生態を知ってもらうため展示しているみたいだよ。
たしかに、ケサランパサランの伝説となぞらえて展示したら、ちょっと興味が湧いてくるかもしれないですね。
薬やご神体として愛される鉱物説


更に鉱物説によるケサランパサランですが、ウサギのしっぽのような鉱石、オーケン石がその正体なのではないかとも言われています。
見た目は綿毛のようにふわふわとしていて、とても鉱石には見えませんよね?



別名は「馬ん玉」「へいさらぱさら」とも言うんだって!
軽石のように軽く、鉱石なのでさすがに風で浮遊するほどのものではないですが、解毒剤に使用されたり、雨乞いの際に使用されたりするようです。
パワーストーンとしても人気が高く、マニアの間では、かなりの高値で取引されるそうです。
この鉱石の力や、価値から、これを持っていると幸運が訪れると感じた人も少なくはないでしょう。
宙を舞う羽虫?昆虫説
「雪虫(写真①)」は、越冬のために産卵する時、蝋物質を身にまとって飛ぶ姿が、雪のようなこと。さらに、雪虫の飛ぶ力は弱く、風になびいて流れるので、なおさらに雪を思わせるようです。
「アオバハゴロモの幼虫(写真③)」なのですが、幼虫の時期に蝋物質をまとっている為、雪虫と並んで、昆虫説の中に名を連ねているのかもしれないですね。
雪虫に関しては、宙を舞う姿(写真②)はまさに雪そのもので、とても神秘的(?)ですね。(羽虫が嫌いな人には、恐怖でしかないですが・・・)
これをケサランパサランだと信じる人がいるのもわかる気がします。
現れては消えてしまう、ケサランパサランは妖怪か?
江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物で、一つ一つが妖力を持ち、見つけると幸せになる代わりに、それを人に話すと、その願いと共に、ケサランパサランも消えてしまうと言われています。
さらに、その物体を1年に2度見ると、幸運の効果がなくなるそうで、ケサランサランを、秘密で代々受け継いでいる家まであるそうです。
現れて幸運をもたらしたり、消えて、その幸せまで連れ去ってしまうケサランパサラン・・・
もしかしたら、そんな妖怪も存在するかもしれないですね。
ケサランパサランは願い事が叶う?
先に述べた、「流れ星」や、「四葉のクローバー」のように、一生懸命探して、見つかったときの幸福感から、きっと自分にも幸せが訪れると信じるきっかけになるのかもしれないですね。
結論として、ケサランパサランの正体が解明されたとしても、見つけた人はそれがケサランパサランで、自分に幸運をもたらしてくれると信じて大切にするでしょう。
たとえ小さな幸せでも、「このケサランパサランが、運んできてくれた幸せかも・・・」と感じることができる。
それこそが、幸せの始まりになるのかもしれないですね。


「てんさらばさら」と言う絵本もあるようです。
この不思議な雪のようなものが「てんさらばさら」と言って、幸せになれるとおばあちゃんから聞いて、大事に隠し持っていた主人公は、結婚し、家族にも恵まれて幸せに暮らしているのですが、どんどん増えていくこの物体を隠し切れなくなり、家族に見つかってしまうというお話。
この物語は、見つかってしまってからの事も、描かれています。
見つかってしまった後、この家族がどう過ごしていくのか、とても興味深いですよね。
ケサランパサランは飼育できる!?
このケサランパサラン、大切に保管した後に分裂した!大きくなった!などの情報もあるらしいのです。
そして、なんと!飼育する方法もあるようですよ。



飼育するには、まず捕まえなきゃね!
捕まえ方
探す場所としては、基本的にどこででも見つけることはできるそうです。
宙をふわふわ舞っていて、動きもゆっくりなので、捕まえるは簡単なのですが、遭遇するのが難しいらしいですね。
ただ、もし見つけることができたときは、そーーっと両手で包み込んで捕まえてくださいね。
育て方・増える
そーッと持ち帰った後は、桐の箱や、ガラスの瓶などで育てると良いらしいです。
そして、おしろいを与えることで大きく育ったり、増えるそうですから、是非試してみてください。
おしろいとは…香料や着色料の含まれていないものが良いとされており、“カオリン・タルク・炭酸マグネシウム・酸化亜鉛・コーンスターチ・デンプン”が含まれるベビーパウダーや日本古来のベビーパウダーと同じ目的で使用されている天花粉が良いとされています。


まとめ
さて、ケサランパサランの正体は、結局判明したのか?しないのか?
結局、発見した人が、それぞれに自分が見つけたものが本物だと信じていて、ぜったにそれは違うと断定できる理由もありません。
だから、これからも「これがケサランパサランである!」と断定されることはない(されてほしくない)と思うのです。
そして、自分がケサランパサランを見つけたときには、幸せが訪れると信じて、ガラス瓶で大切に飼ってみたいです。
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